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喪服の着物とは?おさえておきたい基本知識

着物の種類の中には喪服があります。喪服はお悔やみ事の時に着る黒紋付の着物で、黒無地が基本です。ここでは、喪服の着物についておさえておきたい基本知識をご紹介します。

喪服とは?

喪服とは、告別式の時やお通夜の時に誰でもが着ることができる着物です。黒一色の印象がある人も多いと思いますが、白の着物や帯もあり、地域によって様々です。喪服には正式なものと略式なものがありますが、正式なものは喪の第一礼装として五つ紋が付いた黒紋付の着物、黒の帯、黒の小物を合わせます。長襦袢や足袋は白になります。
 
略式では色無地や江戸小紋が色喪服としてお葬式やお通夜にも着ていけます。いずれもグレーや紺色、暗めの紫など地味な色であることが基本で、それに黒の帯や小物を合わせたりします。

親族が着ることが多い

お葬式やお通夜では近い親族が喪服の着物を着ていることが多いのが現状です。喪服の着物を持っている人は、基本的に誰が着てもいいことになっていますが、着物を着ると「あれ?親族の方?」と思われてしまうこともあります。
 
地域によっては、20歳の成人式が終わってから喪服の着物を一式用意するといった習わしがあるところもあります。その場合は、冬用と夏用の喪服の着物を揃えます。

格式の高い喪服の着物とは?

喪服の着物を着る際にも格式があります。第一礼装で格が高くなるのは「黒喪服に黒喪帯」で、順に黒喪服と色喪帯、色喪服と黒喪帯という風に略式化していきます。

喪服の着物の柄の特徴

喪服の着物は黒ですが、黒無地の中に地紋が入っていることがよくあります。弔事では流水や雲、波が多く使われ、地味な地紋が特徴です。

シーン別の喪服の着物の選び方

弔事では、

・告別式
・お通夜
・法事
・1周忌や3回忌
 
などがあります。場面によっては喪服の格を上げたり、下げたりします。

告別式の場合

喪主や近親者は喪服での参列が好ましいです。いわゆる黒喪服に黒喪帯ですね。故人とは友人や会社関係など深い関係ではない場合に参列する場合は、「黒喪服に色喪帯」や「色喪服に黒喪帯」が良いです。必ずどちらかに黒は入れておきたいところです。

お通夜の場合

お通夜の場合も告別式と同じように着こなすのがマナーです。通夜の場合は、いきなりの訃報で喪服が間に合わないという方も中にはいます。ご用意がない場合は江戸小紋に黒喪帯や地味な色合いの色無地の着物などを選んでもOKです。
 
最近は喪服のレンタルもあるので、急なお通夜には手持ちの江戸小紋や色無地、告別式にはレンタル喪服で参列するという方法もあります。

3回忌や法事の場合

3回忌や法事の場合は、お通夜や告別式のように格が高くない方がシーンに合っています。地方の風習もよりますが、3回忌までは親族は喪服を着ることもあり、その他の参列者に関しては略礼装として、藍・灰色・紫などの地味な色無地や江戸小紋を着用するのが好ましいです。

合わせる帯によって喪の使い方が変わる

喪服の着物に合わせる帯は、喪の度合いによって使い方が変わってきます。
 
喪の度合いとは?

・告別式・通夜・初七日・・・黒喪服の帯
・一周忌や3回忌など・・・地味な色の帯(織帯)
 
重要な喪の場合には第一礼装としてふさわしい着こなしがマナーですし、それ以外の喪の度合いが告別式などより低い場合は黒っぽい地味な色の帯を選んでもOKになります。

喪服の黒の色合いの種類と季節による使い分け

喪服の黒はもともと白地から染め、染色技法によって黒の色の出方が異なります。藍染や泥染め、草木染めなどがあり、深みのある黒、くすみがかった黒など様々な黒があります。単色だけを見ると黒に見えますが、技法が違った染め方をしている喪服を並べると色味がわかります。喪服の着物の場合は好みで色を決めるよりは、第一礼装の正式喪服としてふさわしい深みのある黒を選ぶと、何年経っても着られます。
 

喪服を着る機会は人生でそう多くはありません。また、急に訪れるものなので、夏の場合は「単」「絽」のものを、冬の場合は「袷」と両方準備しておくと、急な時にも慌てずに済みます。購入する際には、夏用と冬用の両方を仕立てておくと便利です。

まとめ

喪服の基本知識をご紹介しました。喪服の着物にも格式があり、着ていくシーンや着ていく人によって決まりがあるということがわかりました。お悔やみの場だからこそマナーをきちんと守り、どのような立場で参列するのかを理解して喪服の着物を選ぶようにしましょう。