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着物に興味はあるけれど、小紋や紬ってどんな着物のことかわからないし、ちょっと難しそう…そんな風にお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回は、『知って得する豆知識』として、気楽に読んでいただけるように、小紋と紬について書いてみました。
色々な着物を手に取ってみるのが楽しくなるような豆知識として、ぜひ参考にしてみてください。
着物を大きく二つに分類すると、「染め」の着物と「織り」の着物があります。
小紋はそのうちの「染め」の着物です。
「染め」の着物は、「後染め」の着物とも言います。
繭から引き出した生糸（きいと）を白生地（反物）の状態に織り上げてから、染色して柄を描き出します。
「染め」の着物は「柔らかもの」とも呼ばれ、手触りがすべすべして柔らかく、自由に色柄を染めることができるため、昔から織りの着物よりも上質な着物とされてきました。
「小紋」の他に、「振袖」「訪問着・付下げ」「色無地」なども通常は生糸から作られる「染め」の着物です。
「染め」の着物である小紋では、型染めが一般的です。
比較的小さ目の柄が着物全体に繰り返し染められています。
染められる柄は、草花や動物、縁起物、道具模様、幾何学文様まで様々です。
色使いも鮮やかな物からシックな物まで多種多様なので、自分好みの着物を見つける楽しみがあります。
「紬」は「織り」の着物です。
「先染め」の着物とも言われます。
紬の着物は、生糸に適さない繭を使う「真綿（まわた）」から紡いだ紬糸で織られます（誤解しやすいですが、「真綿で首をしめる」と言う時の、あの「真綿」は、綿ではなくて絹なのです）。
先に染色しておいた紬糸から織り上げるのが「紬」です。
「織り」の着物である紬は、色の違う糸を巧みに使い分けて、細かい柄を織り出していきます。
糸を少しずつずらして「絣（かすり）」模様を織り出した物や、遠くから見ると無地に見える生地にも、よく見ると様々な色糸が使われている物もあります。
真綿から紡ぎ出す紬糸は、太さが均一ではなく、織り上がった生地のところどころに節やこぶができます。
生糸から作られる生地のように滑らかではありませんが、ハリのある素朴な風合いがあります。
紬というと昔は庶民の着物でしたが、現在では、貴重な職人の手による手紡ぎ・手織りの紬などは、着物の中でも高級品の扱いになっています。
一般的な傾向としては、小紋は染めの着物のため、生地の風合いが柔らかく色柄も鮮やかで、華やかな印象を与えます。
観劇やお食事会など、ちょっとしたお出かけの時、華やかに装いたい場合は小紋を選ぶ人が多いようです。
紬の着物はやや硬めの素朴な風合いで、日常着らしい渋めな色柄を特徴としています。
お買い物や街歩きなど、日常生活の一コマとしてしゃれた装いを目指すなら、紬がぴったりです。
小紋と紬はどちらも普段着の着物として着られます。
カジュアル着物ですから、凝り固まった考えは必要ありません。
小紋の着物にも、落ち着いた色柄で街着に向く物も多くありますし、シックな紬の着物に華やかな帯を合わせてお食事会に行くのも素敵です。
華やかで柔らかな雰囲気に装いたい人は小紋を好んで着ます。
紬の着物が大好きで紬ばかり着ているという人もいます。
着る人の感性で自由に楽しめるところが、カジュアル着物の良いところです。
カジュアル着物代表の小紋ですが、「江戸小紋」は柄がごく細かい一色染めなので、遠目には無地に見えます。
そのため、例外的にフォーマル着物として、色無地と同じように着用できます。
背中に一つ紋を入れると「準礼装」の扱いになりますが、着用シーンが限定されてしまうデメリットがあります。
紋は入れずに、礼装用の帯を合わせてフォーマル着物として着るという方法もあります。
昔は日常着だった紬も、現代では高級品が多く、訪問着に仕立てられることもあります。
こうした逸品着物は見た目にもとても素晴らしいのですが、紬である以上、フォーマル着物として結婚式などで着用するのは避けたほうが無難です。
観劇や私的なパーティー、新年会などに着るのがおすすめです。
いかがでしたか？ 小紋や紬の着物について何となくイメージしていただけたでしょうか。
着物雑誌などでモデルさんや女優さんの着こなしをチェックしてみるのもおすすめです。
お好みの小紋や紬を選んで、ぜひ着物で街歩きやお食事会をお楽しみください。
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