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着物の羽織とは?種類と着方をまとめました!

着物の上に着る羽織は、男女ともに着られますが、男性用と女性用では着用シーンが異なります。
着物を日常的に着る習慣が無くなり、女性用の羽織は一時衰退しましたが、近年、再び流行の兆しがあるようです。
 
今回は、男性と女性の羽織の違いや、女性用の羽織の種類と・着用シーンについてまとめました。

男性と女性の羽織の違い

男性の羽織は正装から普段着まで

羽織は、戦場で鎧の上に羽織った「陣羽織」が由来とも言われ、もっぱら男性が着用するものとして発展しました。
江戸時代以降には、町人などの男性の正装として「紋付羽織・袴」姿が一般的になりました。
男性の正装としての黒紋付は、結婚式で新郎が着用するなど、現代にまで続いています。
 
男性用の羽織は正装以外にも着用します。その場合、着物とお揃いの羽織など、色無地の羽織を着用するのが一般的です。

女性の羽織はカジュアルが基本

羽織はもともと男性専用でしたが、明治期以降に女性も着用するようになりました。
ただし、女性の正装である留袖、振袖、訪問着などに羽織を合わせることはありません。
 
女性の羽織には、黒の紋付羽織と普段着用の羽織があります。
正装以外の着物の上に黒の紋付羽織を合わせると、「略礼装」とすることができます。
昭和50年代ぐらいまでは、卒業式や入学式のお母さんの装いとして一般的でしたが、現在ではこうした光景は見られなくなっています。
 
現在、女性が羽織を着る機会は、おしゃれの一環として、普段着用の羽織をカジュアル着物に合わせる場合がほとんどになっています。

女性の羽織の種類

長羽織と中羽織

丈が膝下まである羽織を「長羽織」、膝上の丈の羽織を「中羽織」と呼びます。
着用シーンに特別な差はありませんが、中羽織のほうがより身軽で日常的な装いという印象です。
 
羽織丈は時代によって変遷があり、戦前は長羽織が流行していました。
戦後は物資不足の影響もあり短めの羽織が主流でしたが、現在は長羽織が好まれる傾向にあるようです。

絵羽織と小紋羽織

縫い目をまたいで繋がっている柄を「絵羽柄(えばがら)」と言います。
羽織にも絵羽柄のものがあり、小紋柄に比べると会食や観劇など華やかなよそ行きの装いに向いています。
一方、小紋柄の羽織はよりカジュアルな印象で、普段着の着物向きです。

色無地の羽織

柄の無い色無地の羽織もあり、他の羽織と同様に、小紋や紬の着物などカジュアル着物に合わせて着用できます。
柄のある羽織は着物とコーディネートしにくい場合もありますが、色無地の羽織なら、着物の柄を邪魔せずにすっきりと着こなせて便利です。

袷(あわせ)の羽織・単衣(ひとえ)の羽織・夏羽織

防寒着としての羽織は、秋から、冬、春にかけて着られるように裏地のついた袷仕立てになっています(ただしウール生地の羽織は単衣仕立てが普通です)。
袷の羽織では暑く感じられる季節(4月~5月頃、9月~10月頃)には単衣仕立ての羽織を着用します。
 

また、羽織には防寒目的以外にも、帯や着物を汚れから守るための「塵除け(ちりよけ)」としての役目があり、夏季にも着用することができます。
夏物の羽織は、絽(ろ)や紗(しゃ)、レースなどの生地で仕立てられます。

羽織の着方とマナー

羽織着用のマナー

羽織は洋装におけるカーディガンのような位置づけなので、室内で着用したままで問題ありません(ただし、お茶席では着用できません)。
脱いでも問題ありませんが、脱いだ場合は、袖を合わせて小さく畳み、あれば風呂敷などに包んでおくとスマートです。

羽織の着方

羽織は、首の後ろ側の衿を外側に半分倒して着ます。
羽織と共生地の羽織紐が縫い付けられている場合もありますが、無い場合は好みの羽織紐をつけて、左右の羽織紐を結びます。
羽織紐には「もろなわ結び」、「こま結び」、「叶結び」などの結び方がありますが、フックやマグネットなどで簡単に留められるようになっている羽織紐もあります。
 

羽織を着る時は、最初に羽織を肩にかけるようにしてから、着物の袂を持って羽織の袖に通し、最後に羽織紐を結びます。
羽織を脱ぐ場合は、衿元を後ろに少しずつ下げるようにして袖を外し、左右の袖を合わせて畳むようにしながら脱ぎます。
脱ぎ着の際に、羽織が床につかないように注意します。
 
羽織の脱ぎ着は、慣れないと意外にてこずる場合がありますので、自然な所作でできるようにあらかじめ練習しておくとよいでしょう。

まとめ

今回は、羽織の種類や着方についてまとめました。
女性用の羽織は、略礼装としての羽織を除いて、基本的にカジュアル向きです。
一時は衰退気味だった羽織ですが、最近では、着物をおしゃれに着こなすアイテムとして見直されています。
羽織を取り入れた着物コーディネートにぜひ挑戦してみてください!